インターフェロンが効かないC型肝炎の情報を集めました

肝臓を傷つけるもの

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まずは「肝臓」をよく知ることから始めましょう

一般的に肝臓は「沈黙の臓器」と言われますが、体内器官の中でも実に500以上の作業をこなす働き者の臓器です。

血液が運んできた成分を、体の役に立つように合成して、体のあちこちに送り出したり、分解して排池しやすくしたり、エネルギー源として貯蔵したりしています。また、肝臓の大きさは成人で1.2~1.5kg程度と言われています。

肝臓は約2500億~3000億個の肝細胞が集まって形成されています。この内、1000個程度の肝細胞が壊れる事で、肝機能を示すGPT、GOTの数値は正常時の倍ほどに跳ね上がるという報告があるそうです。

肝炎を患っている患者であれば誰もがこの数値とにらめっこしながら治療を余儀なくされますが、実は2500億個もある細胞の内、たった数百個~1000個程度の肝細胞が傷つくだけでも人体にとっては甚大な被害をもたらすのです。

また、東京大学の酒井康行教授らの研究グループによると、肝臓の細胞は10個、100個、あるいは500個集まっても組織的に働かないけれど、1000個集まれば肝臓の役割を発揮しはじめるそうです。100個の肝細胞の集まりでは肝臓でつくられるアルブミンというたんぱく質が検出されなかったにもかかわらず、1000個集まった場合はアルブミンの合成が確認できたことで証明されました。

肝臓は唯一再生能力を持っている臓器

肝臓が他の臓器と大きく違う点は、「再生する臓器」という事です。一般的に知られる、生体肝移植手術がわかり易い例です。生体肝移植はドナーと呼ばれる肝臓の提供者から、重い肝臓病の患者さんに移植する手術のことです。

しかし、生体肝移植は実は肝臓を丸々ひとつ移植するわけではなく、肝臓の3割程度を切り取って移植するだけで良いのです。肝臓を丸ごとすべて移植してしまえば、肝臓の提供者は生きていけなくなってしまいます。

 

3割程度の肝臓を移植するだけで肝臓の機能をちゃんと果たせる上に移植した3割程度の肝臓は、1カ月もすれば3倍以上に再生して本来の大きさに戻るのです。これほど驚異的な再生能力を持つ臓器は肝臓だけなのです。

また、肝臓の3分の1を切り取っても残りの3分の2に通常の肝臓の働きをカバーする余力が十分ある事がわかってきています。肝臓が「沈黙の臓器」と言われる由縁も、過酷な労働や様々な毒素でダメージを受けても、自分で修復しながら文句も言わず黙々と役割を果たしている臓器だからと言えるでしょう。

ちなみにダメージを受けても痛みの症状を訴えないのは、肝臓には知覚神経が通っていないためです。その為、きちんと定期的に検査などを受けることで肝機能の数値をチェックし、肝臓の危険シグナルに気付くことがとても大切な事なのです。

見逃してはいけない!「肝臓の危険信号」とは?

では、肝臓はどんな危険信号を発して体の異常を訴えているのでしょうか?肝臓病のサインと判断される症状をまとめてみます。思い当たる節がある方は医療機関での検査を受けるようにしましょう。

[check]普段から全身がだるく、疲れやすい
[check]白目の部分や全身が黄色っぽくなっている
[check]ちょっとした傷でも血が止まらない
[check]食欲がなくて、吐き気がする
[check]最近急に脂っこいものが食べられなくなった
[check]手のひらが赤くなっている
[check]男性なのに乳房が大きくなってくる
[check]皮膚にクモ状の血管腫がでる
[check]白っぽい便がでる
[check]尿の色が濃くなる

肝臓には体に大切な「酵素」がたくさん詰まっている

肝細胞の働きの中でとても大切な役割を果たしているものに「酵素」の存在が挙げられます。

酵素は、肝細胞が行なっている代謝や解毒、合成などの作業を円滑に進めるためには欠かせない物質で、肝細胞のひとつひとつがそれぞれ数百種の酵素を持っています。

例えば、お酒を飲む人には欠かせないアルコールの分解酵素も代表的なもののひとつです。

近年の研究で、日本人を含むアジア系人種には完壁なアルコール分解酵素を持っている人は5割程度しかいない一方、西洋人では約9割以上もの人がアルコールを完璧に分解してくれる酵素を体内に持っているそうです。つまり、西洋人はワインやビールなどのアルコールをたくさん飲んでも、二日酔いになることもなく、体内でアルコールを分解・解毒してしまうそうです。

「本当に、お酒は肝臓の敵?」について

晩酌のクセがある方や、毎日のように日本酒やビール、焼酎などのアルコールを飲む方なら当然、自分自身の肝臓を気にされている方は多いかと思います。

肝臓障害の原因の一つとしてアルコールがあげられるのは、昔も今も変わっていません。しかし、C型肝炎ウイルスが発見された1988年以降は、その見方にも大きな変化が見られます。

脂肪肝、肝炎、肝硬変。肝がんと進行する肝臓の病気はほぼ、ウィルスによって引き起こされている、というのが主流になりつつあります。勿論、多量なアルコール摂取については今も変わらず肝臓に良い影響は与えませんが、それほど深刻なものではなく、適量なら問題ないとされています。また、レトルト食品や加工食品に偏った食生活や喫煙についても同様に肝臓に負担を与えます。

以前はアルコールのせいで肝炎から肝硬変、やがては肝がんになると考えられていましたが、実は、大部分はC型肝炎ウイルスが犯人だということが分かってきています。

C型肝炎になると、6~8割の方が慢性肝炎になります。慢性肝炎を患うと、肝臓から上手くエネルギーを取り出せなくなり、倦怠感や疲れが取れない日々が続きます。そして慢性肝炎に気づかず、そのまま適切な治療をしなかった場合や慢性肝炎に気づいたとしても治療がうまく行かなかった場合、大部分の方は肝硬変へ進行し、最悪の場合は肝がんにまで進んでしまいます。

肝臓に良いモノは肝臓病には逆効果

最近の健康ブームでは、お酒を飲む前に二日酔い対策としてウコンのドリンクを飲む方が結構いるようです。ウコンに限らず、シジミのみそ汁なども肝臓に良いと定番ですね。シジミとウコンが肝機能を高める食品だというのは、今やお酒好きな人の常識になっているようです。

しかし、この常識は本当に正しいのでしょうか?

シジミやウコンが肝機能にいいという話は、確かに理由があります。肝臓はダメージを受けても自分で修復したり、解毒という毒素を分解する働きも担っています。そうしたことから、肝臓は細胞の新陳代謝が激しい臓器だと言えるのです。

そして肝細胞を常に新しくつくり出す為には、たくさんのたんぱく質が必要となってきます。たんぱく質の原料となるアミノ酸はとても有効、という訳です。

また、ウコンはショウガ科の植物で、カレーのスパイスとなるターメリックと同じです。主成分のクルクミンは、胆汁の分泌を高めることが知られていますし、アルコールを分解する酵素の活性を促進するとも言われています。二日酔い対策には良いかもしれませんね。

しかし、そこは沈黙の臓器と言われる肝臓。自分で気が付かないうちに既に肝臓病を患っているとしたら?・・・。こういった視点はとても大切です。

結論から言えば、このふたつの肝臓にいい食品は、確かに肝臓が健康な時にはプラスに働きますが、肝臓が不健康な時、とくに肝炎がある場合には、肝臓に悪い食品に豹変します。

理由は、シジミやウコンに多く含まれている鉄分が肝炎を悪化させてしまうからです。他にも鉄分を多く含むレバーやホウレン草、ヒジキやハマグリなども肝炎には危険な食品としてあげられます。ちなみに、ウコンの主成分のクルクミンには、肝細胞の再生を抑制してしまう作用があるという報告もあるので、肝機能が落ちている時の摂取は気を付けなければいけません。

近年の進んだ医療現場では、肝臓病の患者には鉄分を控えさせるのが常識になっています。とくにC型肝炎の患者にとって鉄分は大敵だと言われているので、十分に気をつけるようにしましょう。

体内の鉄分を少なくするために、血中のヘモグロビンを外に出してしまう潟血(しゃけつ)療法という治療法があるほどですから、鉄分が多く含まれている食品は、意識して控えることが大切です。

ダイエットで過度な食事制限をすると脂肪肝になる理由

いわゆる脂肪肝の中でもアルコール性脂肪肝についてはその名の通り、お酒の飲み過ぎが原因です。脂肪肝というのは肝細胞の中の脂肪が3割を超えるとそう呼ばれ、フォアグラのように肥大化して肝機能が低下する現象のことです。

アルコール性の脂肪肝であれば原因がはっきりしている為、お酒を控えることで改善することができます。

しかしダイエットによって脂肪肝になる、というのは一般には知られていません。どういうことかと言うと、極端にカロリーを抑えてダイエットを続けると脂肪肝をますます悪化させてしまうのです。

肝細胞の中には中性脂肪が存在しています。この中性脂肪は、たんぱく質と結びついて血液中に送り出され、体の隅々に運ばれてエネルギーになったり細胞の原料になったりと、様々な用途に使われています。

これがダイエット目的で過度な食事制限をすることで、たんぱく質が不足してくるとこの中性脂肪と結びつく相手がいなくなってしまい、中性脂肪は肝臓の中から出て行けなくなってしまうのです。

例えば、メタボの方が脂肪肝を改善しようとして厳しい食事制限をすると、
いっそう脂肪肝に拍車をかけてしまうという皮肉な結果になってしまう事があるのです。常に栄養バランスのとれた食事を心がけ、適度な運動と基礎代謝を上げる事で上手にダイエットをすることが大切であるといえます。

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